2020年12月に施行されたサブリース新法(賃貸住宅管理業法)は、サブリース契約を巡るトラブルの深刻化を受け、物件オーナーの保護を主眼に制定された法律です。具体的には、誇大広告の禁止や重要事項の説明義務などの厳格な規制が設けられています。
その法内容を正確に把握することは、契約解除の是非を判断するだけでなく、売却時の業者選定を有利に進める一助ともなるでしょう。
サブリース新法は、不動産オーナーとサブリース事業者との間に生じるトラブルを防ぐために制定された法律です。以下では、この法律が生まれた背景、およびその目的についてまとめています。
2010年代に入り、サブリース契約をめぐるトラブルが社会問題として広く認知されるようになりました。たとえば、「家賃を保証する」という説明で契約を結んだにもかかわらず、後から家賃を大幅に減額されるケース、虚偽の広告で勧誘される事例などのトラブルです。
こうした状況を受けて国は法的な対処の必要性を判断し、2020年12月15日に「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」の第3章(特定賃貸借契約の適正化)を施行。一般に「サブリース新法」と呼ばれる法律です。
監督官庁は国土交通省。登録事業者を中心に適正な業務の遂行が求められています。
サブリース新法の核となる目的は、物件オーナーの保護です。具体的には、サブリース事業者による誇大広告や不当な勧誘行為を法律で規制することで、オーナーが不利な契約を結ばされることのないよう、仕組みを整えることがその狙いとなります。
本法の対象は、国土交通省に登録した賃貸住宅管理業者(登録事業者数は約5,000社)。登録事業者は重要事項の説明義務など、法律に定められたルールに従って事業を行う義務を負います。
オーナーにとっては、契約前に適切な情報を得る機会が法的に保障されることとなったため、将来の売却や契約変更を見据えた適切な判断に役立つでしょう。
サブリース新法では、オーナーを不当な契約から守るために、複数の具体的な規制が設けられています。以下では、法律の条文に沿って主な3つの規制内容を解説します。
サブリース新法の第28条では、サブリース事業者による誇大広告が明確に禁止されています。具体的には、「家賃は絶対に保証されます」「賃料は下がることがありません」などの事実と異なる、または著しく誇張された内容を広告に盛り込む行為がこれにあたります。
対象となる広告媒体は、折込チラシやインターネット、SNSなどで、媒体を問わず規制の対象。違反した業者には100万円以下の罰金が科される可能性もあります。
第29条では、サブリース事業者による不当な勧誘行為が禁止されています。威圧的な態度での勧誘や、執拗な訪問・夜間の勧誘行為はもちろん、家賃の減額リスクや契約解除の条件など、オーナーにとって不利となる重要な情報を意図的に伝えない行為も、この規制に違反します。
オーナーが断っているにもかかわらず契約を迫り続ける行為や事実と異なる説明で誤解を生じさせる行為も、この規制の対象。違反した場合には、6か月以下の懲役または50万円以下の罰金(もしくはその両方)が科されることがあります。
第30条では、マスターリース契約の締結前にサブリース事業者がオーナーに対して重要事項の説明を行い、かつ書面を交付することが義務付けられています。
説明すべき項目は多岐にわたり、家賃の額・支払条件・将来的な減額の可能性、維持保全の実施方法と費用負担のあり方、そして契約期間・解除条件・違約金に関する事項など。説明にあたっては、オーナーの知識や経験のレベルに応じた丁寧な対応が求められ、難解な内容については特にわかりやすく伝えることが事業者側の責務とされています。
参照元:【PDF】国土交通省HP「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」
https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001368270.pdf
サブリース契約中のワンルームマンション売却を検討する際には、事前に新法(賃貸住宅管理業法)に準拠した対応を取っている業者かどうかを確認しておくことが重要です。査定を依頼する際にはサブリース契約書を持参し、解除条項の内容を交渉材料として活用するようにしましょう。
また、2010年代に締結された契約が10年満了を迎えるタイミングにおいて、家賃の減額が集中する可能性がある点に要注意。売却を急ぐ場合は、事前に重要事項書面の減額条項を確認しておきましょう。
解除通知は書面で行い、2か月以上の余裕を持って手続きを進めることも念頭に置いてください。
サブリース新法は、知識や交渉力の面で業者より不利な立場に置かれがちなオーナーを守るために設けられた法律です。
この法律の内容を正しく理解しておくことは、出口戦略としての売却を検討するうえでも極めて重要。事前に契約書の解除条項や重要事項書面の減額条項を把握しておけば、査定時の交渉をより主体的に進めやすくなるからです。
売却先の選定にあたっては複数の業者から査定を取り、条件を比較することが基本です。サブリース契約の取り扱いに慣れた業者かどうかも、判断の材料の一つとなります。不明点がある場合には、早めに専門家へ相談するようにしましょう。
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