コロナ禍において、社会を取り巻く状況は一変しました。「住みたい街」に対する要望も、リモートワークやステイホームを皮切りに変化しました。コロナの影響を考慮した上での、不動産需要とマンションの売り時についてチェックしてみましょう。
マンションを売却するにあたり、できるだけ高い価格で売るために不動産需要をリサーチするのは当然のこと。居住者のニーズを探るためには、コロナ後に人が「住みたい」と考えている街を分析しましょう。
不動産売買・賃貸・住宅情報サイト「LIFULL HOME'S」に2020年に掲載された物件の検索・問合せ数から算出された『2021年 首都圏版 LIFULL HOME'S 借りて住みたい街(駅)ランキング』では、以下のような結果が出ています。
対象期間 | 2020年1月1日~2020年12月31日 |
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対象者 | LIFULL HOME'S ユーザー ┗首都圏版 東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県 |
集計方法 | LIFULL HOME'S に掲載された賃貸物件・購入物件のうち、問合せの多かった駅名をそれぞれ 集計 |
日本で新型コロナウイルス感染者が確認されるようになったのは2020年以降。
上記ランキングと同条件で、2019年に掲載された物件の検索・問い合わせ数を基に作成されたランキングでは、「萩窪」「三軒茶屋」「吉祥寺」などの都市近郊がTOP10にランクイン(※)していましたが、コロナ禍に突入した2020年のデータを基に作成された上記ランキングではTOP10圏外となっています。逆に準近郊・郊外のベッドタウンとされていた「八王子」「千葉」などがTOP10にランクインしています。
コロナ前までは利便性を重視して都心部よりの物件が人気傾向にありましたが、リモートワークが中心となったコロナ禍で大きく状況が変化し、利便性優先の傾向から賃料の安さを優先する傾向にシフトしつつあるのかもしれません。
ここでは、株式会社リクルートが 2021年の1月4日から15日にかけて関東圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している20歳~49歳の7000人を対象に実施したアンケートを基に作成された「SUUMO住みたい街ランキング2021 関東版」を見ていきましょう。
調査期間 | 2021年1月4日(月)~ 2021年1月15日(金) |
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対象者 | 関東圏(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県)在住の20歳~49歳の男女 |
集計方法 | インターネットによるアンケート調査(本調査有効回答数:7,000人) 1都4県(東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県、茨城県) にある駅の中から「住んでみたい街(駅)」1位~3位を回答してもらい、1位=3点、2位=2点、3位=1点と配点してランキングを算出 |
株式会社リクルートの資料では、昨年の順位も確認できます。横浜はコロナ禍に突入する以前から上位にありましたが、浦和は2021年に入って得点を大幅に伸ばし、順位を2つ上げました。その一方で、トップ10にランクインしていた浦和以外のはいずれも得点を減少させています。このようなデータから、コロナ禍以降の入居者ニーズは利便性や立地に左右されなくなっていると予測されます。
リモートワークやオンライン授業が主流となりつつあるwithコロナ時代だからこそ、学校や職場へのアクセスを優先する必要がなくなったため、賃料の安さや近隣施設、治安などを目安に家を選ぶ人が増えているようです。
知名度が低くて「地味」と称されるような印象の街も、コロナ禍においては住み心地の良さから評価を伸ばしています。
コロナ禍の影響を特に大きく受けている首都圏では、すでに多くの企業がテレワークを導入している傾向にあります。学校も同様にオンライン授業が活発に取り込まれており、社会人の単身者だけではなく子育て中の世帯にも、職場や学校とのアクセスを重視する傾向が薄れてきているようです。
withコロナの浸透によって、東京都心部ではなく埼玉や神奈川などの近郊の人気が高まっています。これまでは需要が低いことなどを理由に売却に踏み出せなかったような物件でも、現在では価値が上がっており、今後さらに上がっていく可能性も十分に考えられます。売却を健闘している土地・不動産がある場合は地価を注視しておきましょう。
高く売るためには?
投資用ワンルームマンションをお持ちの方には、昨今の複雑な情勢下による思わぬ不動産価格の下落などにより、頭を悩ませている方も少なくないのではないでしょうか?所有不動産を手放す際は、できるだけ損失を減らして高く売却するポイントを押さえ、適切な売却先を選ぶことが重要です。下記の記事ではマンション売却を成功させるポイントをまとめているので参考にしてみてください。