ワンルームマンションの売却を考えている方の多くは、少しでも高く売りたいと思われているに違いありません。それは自然なことです。しかし、ワンルームマンションを高値売却するためには、絶好の売り時とそのタイミングを判断するポイントを知らなければなりません。
このページでは、投資用ワンルームマンションの売り時について、またそれを判断するポイント、さらに物件売却時の注意点について紹介しています。ぜひ参考になさってください。
投資用ワンルームマンションで売り時となるのは、価格相場が高い時です。厳密にいえば、相場がピークを迎えている頃が絶好の売り時となります。
周辺物件の調査を行ってみて、類似物件の玉数が少なかったら、その時もワンルームマンションの売り時と言えるタイミングになります。なぜなら、類似物件が少ないと当該物件の希少価値が高まり、利回り重視の投資家が高値でも購入してくれる可能性が高いからです。
一方、競合物件が多い時は、買い手にはメリットですが、売主にとっては価格競争が激しくなり、値段を下げないと売れなくなってしまいます。従って、市場に出回っている類似物件が少ないときは、少々強気な価格でも売れる可能性があり、高値売却を望む売主にとっては好機となるでしょう。
ネガティブな意味での売り時でいえば、毎月の収支がマイナスになった時点も適切なタイミングといえます。なぜなら、築年数を重ねるほど家賃が下落していき、その一方で管理費の支出が増加していくワンルームマンションの運用において、いったん収支がマイナスになると、継続的に利益を出すことは難しくなるからです。
実際、ワンルームマンションを運用している投資家の多くが、毎月の収支がマイナスになった時点で売却していますが、それは前述した内容の現実をよく知っているからです。但し、見方を変えれば、マイナスをそれ以上増やさない=出血を止めるという意味で、良いタイミングといえるかもしれません。
当然といえば当然ですが、ワンルームマンションの売り時を判断するポイントの一つは、不動産売買相場の動向をチェックすることです。これは直近の相場を見ることも大切ですが、過去と未来の相場をリサーチ、あるいは予測する必要があります。なぜならそうすることによって、現在の相場が高いのか低いのか、正確な相場状況を把握することができるからです。
過去の相場と未来の相場の予測を行うことが、現在の売り時を判断するポイントになります。
売り時を判断するポイントとしては、金利の動向をチェックすることも大事です。なぜなら、金利の高低によって、不動産の買い手が増えたり減ったりするからです。当然ながら、金利が低いときに買い手は増え、金利が高いときに買い手は少なくなります。売り手にとって好機となるのは、前者の金利が低いときです。金利が低いと住宅ローンを組みやすくなり、ローンの返済負担が少なくなって、通常より価格が高くても売れやすくなります。
ワンルームマンションに限らず、不動産に対する市場のニーズは絶えず変化するものです。例えば、好景気のときは収入が増えるため、新築マンションへの需要が高まり中古物件のニーズは相対的に下がりますが、逆に不景気になると、収入が減って新築マンションを購入できなくなるので、今度は相対的に中古物件へのニーズが高まります。
また、最近はITの発達によりテレワークを導入する企業が増えており、これまで都心にマンションを持ちたいと思っていた人が減って、環境のいい郊外や地方の物件へのニーズが高まる傾向にもあります。このように、物件ごとにニーズの変化があり、それに伴って市場が動いて売り時も変わるので、当該物件のニーズの変化を察知しておくことも重要でしょう。
ワンルームマンション売却時の注意点の一つは、物件を売る際、なるべく「空室」を減らし、「満室」にしてから売りに出すということです。なぜなら、収益物件としてのワンルームマンションの売却の場合、買い手は投資のプロがメインになりますが、投資のプロは空室物件より満室物件の方が資産価値が高いと判断するからです。そして資産価値の高い物件と評価された場合、当然ながら高値が付きやすくなります。とりわけワンルームタイプの場合は、購入層は投資家がメインであり、空室物件より入居中の方が高く売りやすいことを覚えておくといいでしょう。
少しでも実入りを多く負担は少なく、ワンルームマンションを売却したいと思うなら、譲渡所得に注意を向けることも必要でしょう。譲渡所得とは、不動産を売却することによって得た所得のことです。れっきとした所得の一種であり、確定申告の際には所得税として申告する必要があります。
譲渡所得の何を注意すればいいかというと、不動産の所有期間によって譲渡所得における所得税の税率が変わることです。現行の税制では、所有期間が5年以内の売却(=短期譲渡所得)で税率30%、5年以降の売却(=長期譲渡所得)で15%の税率となっており、5年間の所有期間を経て売却したほうが、税金を安く抑えることができます。
なお、物件の売却金額が購入金額を下回る、すなわち譲渡所得がマイナスになる場合は、税金は発生しません。
最適なタイミングで、しかも納得の価格でワンルームマンションを売却するためには、売却の仲介を依頼する不動産会社選びも重要です。一口に不動産会社といっても、会社の規模や運営歴、実績、専門領域などは会社によって異なっており、どこに依頼しても同じ結果が出るわけではありません。むしろ、最適な不動産会社に依頼してこそ、納得の条件で売却できるようになります。
ワンルームマンション売却を考えている方は、ずばり、収益物件(投資物件)の取扱いが多い不動産会社に相談してみると良いでしょう。収益物件が専門の不動産会社の場合、メインの買主となる投資家とのネットワークが広く、旧知の投資家に向けた物件の宣伝を一斉に行い、スピーディーに買い手を募ることができます。そして物件の価値を正しく評価し、適正な価格を提示することができるでしょう。